ACLS受講にBLS資格は不要です
【アメリカ心臓協会】
*BLS横浜 ブログより抜粋
よくお問い合わせをいただく点ですが、
アメリカ心臓協会AHAの ACLSプロバイダー【1日】コース受講 にあたって、AHA-BLSプロバイダー資格やBLS受講履歴は必要ありません。
ACLSプロバイダーコースを開催する団体(トレーニングセンターやトレーニングサイト)によっては、BLS資格が必須としているところもありますが、それはアメリカ心臓協会AHAのルールではなく、団体ごとに定めた独自ルールに過ぎません。つまり、ローカルルールです。
ACLSインストラクターマニュアルに「義務付けられていない」と明示
最新のAHAガイドライン2015準拠 ACLSインストラクターマニュアル の46ページには下記のように記載されています。
ALSコース受講者は、有効なBLSヘルスケアプロバイダーカードの保有をAHAにより義務付けられていないが、BLSスキルに習熟していることが求められる。
トレーニングセンターは、任意で有効なBLSプロバイダーカードの保有を義務付けることができる。
ACLSインストラクターマニュアル AHAガイドライン2015準拠、p.46
参考まで、後半部分の英語原文は、”Training Centers have the option to require a current BLS Provider card.”となっています。任意と訳されている部分は、「オプション」という単語が使われています。
つまり、ACLS受講にBLS資格は原則不要が標準であり、主催者判断でBLS受講が必要というオプション条件を設けている団体もあり得るということです。
BLSを実演できる能力があればよい
その他、インストラクターマニュアル上の記載上、BLSに関する資格証明が必要だと書かれているという意見もあります。
確かにACLSインストラクターマニュアルの6ページのコースの前提条件には下記のような記載があります。
質の高いCPRを実施でき、成人に対するCPRおよびAED、ならびにバッグマスク換気の使用において習熟度を証明できること
Be able to perform high-quality CPR and demonstratecompetency in adult CPR and AED use as well as bag-mask ventilation.
ACLS Instructor Manual G2015, p.6
証明と訳されている単語が、demonstrate であることがわかります。日本語にもなっているデモンストレーションという言葉の動詞型です。
これは普通に読めば、実演できるかどうかを求めているのであって、証明書のようなものを求めているわけではないということはご理解いただけると思います。
demonstrate という単語を辞書で調べると証明という訳語も出てきますが、CPRという運動能力について言及する際には、「実演できること」と訳すほうが適切でしょう。
日本語版を字義的に読んでしまうと誤解するかもしれませんが、英語原文を見れば、資格証明を求めているのではないことは明白です。